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行く言葉が美しければ 来る言葉も美しい(学校だより わかば7月号より)

『こだまでしょうか』

 「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。

 「ばか」っていうと「ばか」っていう。

 「もう遊ばない」っていうと

 「もう遊ばない」っていう。

    そうして、あとで さみしくなって、

 「ごめんね」っていうと

 「ごめんね」っていう。

    こだまでしょうか、いいえ、だれでも。    

              金子   みすゞ  

 

 大正末期から昭和初期に活躍した童謡詩人、金子みすゞの詩「こだまでしょうか」です。

 

 「こだま」とは、山に登って大きな声で叫ぶと同じ言葉が返ってくる、いわゆる「やまびこ」のことですが、詩の最後には、「こだまでしょうか、いいえ、だれでも。」とあります。同じ言葉を返すのは、「こだま」だけでなく人間も同じです。

 

 ある国のことわざに 「行く言葉が美しければ 来る言葉も美しい」というものがあります。「ありがとう」「がんばったね」「すごいね」「だいじょうぶ」などの感謝の言葉、やさしい言葉、相手を尊重する言葉、思いやりの言葉などをかけると、相手もうれしく思い、心温まる言葉が返ってくるでしょう。逆に、心にとげを刺すような言葉を投げかければ、相手も不快に感じ、攻撃的な言葉が返ってくるかもしれません。

 

 言葉は、人を幸せにすることもできますが、人を傷つけることもあります。口にするもの、書いているもの、打ち込んでいるもの… 、自分の使っている言葉について、振り返ってみたいものです。

 

学校長 多 田 俊 朗  

 

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