全校朝集の話から㉗(麒麟がくる)
お早うございます。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が2月7日(日)に最終回を迎えます。明智光秀が織田信長を倒す本能寺の変に向かって、二人の心が離れていく様子が丁寧に描かれています。そして、どんなラストが描かれるか、とても楽しみにしています。
この「麒麟がくる」でとても気になり、目の離せない人物がいます。正親町(おおぎまち)天皇です。室町幕府や比叡山延暦寺などの中世的な権威を否定してきた信長が、天皇の権威を借りて将軍を追放したり、石山本願寺と和睦をしたりしています。そして、自分の思い通りにならない天皇に、位を皇子に譲るよう求めても実現しません。「信長の最大の敵は正親町天皇であった」という説もあるくらいです。
私はかつて「信長の敵」という授業をしたことがあります。信長の全国統一への動きを簡単な年表にまとめ、「信長の最大の敵は誰か?」について、意見を交わす授業です。信長が苦戦した浅井・朝倉などの戦国大名だったり、なで切り(皆殺し)にするまで抵抗した一向一揆の農民であったり、10年間も戦った石山本願寺をあげる者もいます。この授業は、誰が強敵かをはっきりさせるのではなく、信長に続く秀吉や家康の全国統一の課題をはっきりさせるねらいがありました。
そのころ、授業のためにドラマや映画を観たり、書物を探したりしていました。そして、「信長と天皇」(今谷 明 著)という本に出会い、そこには信長の資金援助を受けながらも上手に信長と付き合い、しかし決して屈することのなかった、したたかな天皇が描かれていました。まさに「麒麟がくる」の正親町天皇そのものです。かつて授業のために使えなかった本が、今20数年ぶりに読んで、ドラマを面白くさせてくれます。
最終回を楽しみにしています。
(2月1日校内放送の話から)
未分類 2021年2月1日