全校朝集の話から⑭(曼珠沙華)

全校朝集の話から⑭(曼珠沙華)

 先週は「中秋の名月」の話をしましたが、10月1日の夜に美しい月を見ましたか?月の中に美女の横顔は見えたでしょうか?

 さて、毎年お彼岸の頃に一斉に咲く花がありますが、分かりますか?今年は開花が遅れて、今も咲いています。

 それは、彼岸花です。または、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)やリコリスとも言います。彼岸花と言えば、真っ赤な花をイメージしますが、赤色以外の花があります。加古川市志方町の円照寺というお寺には、白色、黄色、ピンク色の彼岸花が植えられています。境内には一面にクリスマスローズやツバキ、アジサイなどが植えられており、今はハギが見頃です。

 今田んぼの周りに赤い彼岸花が咲いていますが、なぜ田んぼの周りに咲いているのか分かりますか?

 これは、かつて人が植えたからです。

 彼岸花は球根に毒があります。田んぼの周りに植えたのは、ネズミやモグラを防ぐためと考えられます。また、飢饉の時に毒抜きをして食料にしたとも言われています。毒があるので普段は食べないが、災害による不作や食料不足などの緊急時の食料とするため、栽培していたのかもしれません。彼岸花から先人の知恵が見えてきます。

(10月5日の話から)

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