【Tweet青葦(No.10)】私が感動した”加西中学校の伝統”(*学校長)

【Tweet青葦(No.10)】私が感動した”加西中学校の伝統”(*学校長)

生徒の皆さんへ
 先日の全校集会での話を要約します。テーマは『私が感動した”加西中学校の伝統”』です。

 平成16年春、善防中で3年生を卒業させ加西中に転勤となり、連続して3年生(1組)を担任する。これまで加西中での勤務経験がなかったため、「みんなは加西中での生活は3年目だが、先生は初めてで、転校生みたいなものだから、色々と教えてね…」と始業式後の学級開きの際に依頼する。
 翌日から掃除が開始となり、3年1組が受け持つ掃除分担区(校舎玄関・校長室・事務室・職員室・職員室前廊下)に向かうと、職員室前廊下を“よつんばい”になって“雑巾磨き”をしている、私のクラスの女子生徒を目にする。これまで廊下掃除と言えば、“雑巾がけ”しか頭になくビックリする。彼女だけかなと廊下掃除をする他の生徒に目をやると、誰もが同じポーズで廊下を磨いている。その姿は、職員室の床掃除でも同じであった。続いて、玄関掃除の様子を見ると、掃き掃除をしたあと、玄関の内外は土足ゆえ、土が上がっているにもかかわらず、雑巾で水拭きをしている。しかも、そのスタイルはやはり“よつんばい”であった。まっさらの雑巾が、みるみる黒くなるのも気にせず、バケツで水洗いしながら固く絞り、黙々と“雑巾磨き”をしている男子生徒に思わず声かけをする。
「玄関前も水拭きするんだね。しかもよつんばいで…!?」と質問すると、昨日の学活で加西中のことを色々と教えてねと頼んでいたゆえか、「植田先生、これは加西中の伝統である“磨く掃除”といいます!」また、「掃くは清める(掃き清める)、拭くは磨く(“磨く掃除”)といい、みんなこういう意識ももって掃除をしてます」と、堂々と誇らしげに説明してくれる。
 当日の終わりの会で、その様子を話して「先生は加西中の伝統に感動した!」と伝えると、さっと手が挙がる(私のクラスにいた生徒会副会長)。「先生、加西中には他にも伝統があります」「それは“生徒会活動が活発”だということです」(*さすが生徒会本部役員だ!しっかりしている)続いて手が挙がる(1学期委員長の剣道部女子生徒)。「先生、(少し変わった伝統なのですが…)加西中では、“下駄箱の靴及び上履きはつま先を前にして入れる”んです」と、理由を聞いてみると、「つま先を前にして下駄箱に入れようとすると、まずは靴をキチンと揃えないといけない」「履き物を揃えると、心が整うんです」と教えてくれました。転勤早々、数々の感動を覚えました。
 『伝統とは決まりでもルールでもありません!』歴代の先輩達が、その意義を納得し、守り伝えてきたものです。これからも伝統を継承しつつ、新たな伝統も創り上げていきましょう!

  令和2年6月17日(水)

加西中学校長 植田 正吾

« »