全校朝集の話から㉚(言葉を紡ぐ)

全校朝集の話から㉚(言葉を紡ぐ)

 今日は作文を紹介します。

 第42回少年の主張全国大会~わたしの主張2020~で内閣総理大臣賞を受賞した鹿児島県の女子生徒の作文「言葉を紡ぐ」です。

 「最近調子に乗っているよね。偉そうにさ。まじ、ウザい。」それは、突然のことだった。放課後の教室に冷たい風が吹き抜けた。息ができなかった。心の奥が鋭い刃物でえぐられる。その日からすべてが変わった。誰かに相談したくてもできなかった。

 気づいたら側に母がいて、私はすべてを打ち明けた。「今まで辛かったね。お母さんに言った気持ちをほんの少しでもいいから相手の子に伝えてごらん。」

 どうやって相手に伝えたらいいの。LINEを開き、自分の思いをしたためた。何度も何度も文字を打ち直した。送信ボタンを押す手が震え、どれだけの時間が経っただろう。

 「ごめん。」背中越しに聞こえた言葉。それは突然だった。伝わったんだ。少しずつ、私の世界に色が戻ってきた。「何か、気に入らないことがあったら、教えてね。」途切れ途切れの私の言葉。

 スティーブ・ジョブズ氏は「想いを形にして、想いを言葉にして、想いを伝達する。いくら素晴らしいものを作っても伝えなければないのと同じ。」と語る。人間が人間としてあるためには、想いを言葉に紡ぎ、相手に伝えることではないか。そして、人と人がつながることで、新しい時代を築けるのではないか。

(霧島市立横川中学校3年 池島音羽さんの作品から抜粋)

 言葉は本当に大切です。上手に使いたいものです。

 (2月22日の話から)

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