全校朝集の話から㉘(今、ミャンマーで)

全校朝集の話から㉘(今、ミャンマーで)

 2月1日(月)、ミャンマーでアウンサンスーチーさんが拘束されたというニュースが入ってきました。軍によるクーデターです。クーデターとは、武力で政権を奪うことです。

 アウンサンスーチーさんは海外で活動し、イギリス人と結婚していましたが、お母さんの看病のため帰国したとき、民主化運動のまっただ中で、その先頭に立つことになります。総選挙で圧勝しますが、軍が政権を譲らず、アウンサンスーチーさんは15年間にわたり自宅軟禁されます。自宅から自由に出られなくなるのです。その軟禁中にノーベル平和賞を受賞します。

 ミャンマーでは軍が支配し、民主化を要求する市民が弾圧される報道をよく見ました。取材中の日本人カメラマンが銃で撃たれて死亡する報道もありました。同じ頃、シルベスター・スタローン主演の映画「ランボー最後の戦場」では、ミャンマー軍が少数民族を処刑する残虐なシーンが描かれていました。

 その後、軍政権が現在の憲法を制定し、2010年に総選挙が行われ、アウンサンスーチーさんの軟禁も解かれます。2015年にアウンサンスーチーさんの政党が選挙で圧勝し、翌年新政権ができアウンサンスーチーさんが事実上の国のトップになります。この頃から日本企業がミャンマーに進出していきます。そして、2020年の総選挙でも圧勝し、追い込まれた軍が先日クーデターを起こしたのです。

 少数民族のロヒンギャが軍の迫害を受け難民となった問題で、アウンサンスーチーさんの国際的な評価が下がりましたが、今に思えば、軍を抑えることができなかったことがよく分かります。

 今、ミャンマーで何が起こっているのか? 日本にどんな影響があるのか?

 これからの報道に注目してください。

 (2月8日の話から)

 

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