全校朝集の話から㉓(選択理論)

全校朝集の話から㉓(選択理論)

 今日はアメリカの精神科医ウィリアム・グラッサーの選択理論の話をします。

 「どのようにしたら、人生を自分の生きたいように自由に生きることができるか?そして、それでいて必要な人々と仲良くすることができるか?」という問いにグラッサーは「相手をコントロールしない、相手からコントロールされない、お互いにコントロールしない生き方をすること。それを可能にする新しい心理学が選択理論」だと言います。

 人は自分で自分をコントロールして行動を選択しています。人がコントロールできるのは、自分の行動だけです。相手をコントロールすることはできないのです。自分は世界でたった一つのシステムで、相手も世界でたった一つのシステムなのです。自分が相手から受け取るのは情報であり、情報への対応や行動は自由に選択できます。同じように、自分が相手に対してできるのは、コントロールではなく、情報提供だけなのです。

 しかし、人によっては、考えや行動を押しつけようとします。そのため、相手を批判したり、責めたり、脅したり、文句を言ったりします。相手を思い通りに動かすために、罰したり、褒美でつったりもします。その考えや行動がいくら正しく素晴らしいものであっても、相手からコントロールされる生き方は、自分にとって決して幸せなものではありません。ストレスがたまり、相手とのいい関係をつくることができません。

 そこで、相手の行動をコントロールできるという考えをやめることです。批判しない、責めない、脅したりしない、文句を言わない、罰したり褒美でつったりしないことです。その変わり、相手に「~してほしい」とリクエストします。相手がするかしないかは、相手の選択に任せます。相手がしてくれなくても、相手を批判せず、相手がしてくれたら、「ありがとう」と感謝するのです。そして、人間関係を育む行動をとって、相手との関係をよくするのです。傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受容する、尊敬するなどを行うのです。

 もし仮に、自分では変えることができないものに出合ったら、あきらめて受け入れてしまうのです。もっぱら自分が自由にできる領域で考えると、思った以上にいろいろなことができることに気づきます。相手や環境に振り回されない生き方ができます。

 自分は自分の行動を選択し、相手は相手の行動を選択していることを理解し、自分の生きたい人生を生きてほしいと思います。    

(12月14日の話から)

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