泉中学校音楽祭 校長の話から

泉中学校音楽祭 校長の話から

 吹奏楽部の皆さん、素晴らしい演奏をありがとう。今年は発表の場が次々となくなり残念でしたが、よく練習してくれています。生の演奏は本当にいいですね。 

 さて、合唱ですが、本当に素晴らしかったと思います。まるで1年生から3年生への成長の過程を見るようでした。

 1年生は、一所懸命に表現しようとする姿が伝わってきました。また、クラス紹介では、人任せから自分に矢印を向けたこと、気持ちを伝え合おうとしたことなど、クラスを見つめる姿勢が素晴らしいと思いました。来年に大いに期待ができます。

 2年生は、表現にさらに磨きがかかっていました。特に強弱のつけ方が素晴らしかった。また、歌詞の意味をしっかり考えて表現しようとしていました。男子は低いいい声が出ていて、女子はソプラノ・アルトがきれいに響いていました。

 3年生は、さすが最上級生という声の響きようでした。出だしから惹きつけられました。素晴らしいハーモニーとともに、歌詞を語るように、そして生きる喜びを伝えようとしていました。学年合唱の「旅立ちの日に」は迫力があり、5か月後には、どんな歌に成長するかが楽しみです。

 今年はコロナ対策で扉や窓を開け、保護者も入れ替え制にし、さらに大型扇風機まで回して風の流れをつくり、音楽祭を開きました。君たちは、雑音に負けることなく、自分たちの合唱をしっかり歌いきりました。

 昨日の神戸新聞のコラムで、小学校6年生の「音楽の授業は本当にいるのか」という投書について書かれていました。その小学生は、「大人になって音楽を使った職業なんてあまり多くない」「好きな人は習い事で学べばいい」「学校で『うわっ次は音楽や』という友だちもパソコンの授業には言わない」と書いています。実際に役に立つ英語やプログラミングの授業には納得するが、そうでない音楽には疑問を持っているようです。論説委員は、教育分野で「『実学志向』『即戦力育成』がますます幅を利かせるようになったと痛感する」と言っています。

 これまでクラスで合唱の練習を重ね、今日発表を終えた君たちは、「音楽の授業は必要ですか」の問いにどう答えますか。それは、そのままこの合唱練習や発表会で君たちが何を学んだかが問われています。

 最後に、読書のすすめで「くちびるに歌を」を紹介するときに、見つけた詩を紹介します。ドイツの詩人 ツェーザル・フライシュレンの詩で「路傍の石」の山本有三が訳しています。      

心に太陽を持て

 お疲れ様でした。                         

 (10月30日)

 

 

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