市新人大会壮行会 校長の話から

市新人大会壮行会 校長の話から

 校長室にヴィクトリーナ姫路の選手たちのサインボールが飾ってあります。姫路を本拠地とする女子のプロバレーボールクラブで、チーム結成から今年4月まで監督をしていたのが、竹下佳江さんです。この竹下さんがヴィクトリーナ姫路をVリーグ1部まで昇格させました。(今は、ヴィクトリーナ姫路の副社長になっています。ちなみに球団オーナーは真鍋政義さんです。2012年のロンドンオリンピックで銅メダルを取った全日本の監督が真鍋さん、セッターが竹下さんです。)竹下さんは、身長159㎝、世界最小・最強セッターと呼ばれた選手です。オリンピックはアテネ、ペキン、ロンドンと3度経験し、全日本チームの精神的支柱の役割を担っていました。

 そんな竹下さんですが、2000年のシドニーオリンピックの出場権は勝ち取れませんでした。マスコミからはセッターの身長が低いから世界に勝てないと非難され、人間不信に陥った竹下さんは所属していたNECを退社しました。(地元に帰り、介護の仕事を探してハローワークに通っていたそうです。のちにJTの監督から楽しいバレーをしようと誘われ、現役復帰をしました。)

 そして、真鍋さんの前の監督柳本晶一さんが勝つために全日本に招集したのが竹下さんです。柳本監督は、挫折を経験した選手は、負けを勝ちにつなげられると言います。また、理不尽なことや想像もつかないトラブルを乗り越えてこそ、人間力というものが身につくと言います。

 負けや挫折から這い上がることは、勝つこと以上に価値があることかもしれません。皆さん、明日の新人大会は、各部それぞれの目標に向かって、全力を尽くして頑張ってください。勝って気持ち良く終わるのもいいのですが、負けてもしっかり試合を振り返って必ず次に繋げてください。この試合から、来年の総体に向けての戦いがはじまるのです。すべてこれからです。

(9月25日の話から)

« »