読書のすすめ12 「くちびるに歌を」(中田永一 著)

読書のすすめ12 「くちびるに歌を」(中田永一 著)

 2008年、NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)の課題曲となった「手紙~拝啓十五の君へ~」の作者アンジェラ・アキさんとNコンで歌う中学生の交流を描いたドキュメンタリー番組が放映されました。そこには、未来の自分に手紙を書いた中学生たちの姿が描かれていました。

 これをモチーフにして、長崎県五島列島のある中学校の合唱部がNコンに挑んでいく姿を描いたのが「くちびるに歌を」です。タイトルは「勇気を失うな。くちびるに歌を持て。心に太陽を持て。」という詩からきています。

 桑原サトルには自閉症の兄がいて、自分は兄の面倒を見るために生まれてきたのだと思い込み、友だちもつくらず中学3年生を迎え、合唱部に入部します。Nコン当日、兄はホールの外にいました。仲村ナズナは「ソプラノがここにおるねえ」「男声パートもここにおる。私はアルト。じゃあ、歌うしかないなー!」とサトルの兄のために3人で合唱を始めます。すると、そこにいた他校の中学生たちが集まり歌声が広がっていきます。

 部活働ができない今だからこそ、仲間との活動を振り返るチャンスかもしれません。臨時休業中の中学生に是非読んでほしい本です。

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